どんとさんのこと。

「ママ、”シビー”って、何?」
カーステレオでローザ・ルクセンブルグの「シビーシビー」をかけていた時、当時幼稚園児だった娘が聞いてきた。
「ん~、こういう歌はさ、歌詞の意味なんか考えなくていいんだよ。感覚で聴いて。好きだなあ、と思ったら、それでいいよ」
半分本気、半分その場しのぎで、そう答えた。
「ふ~ん」それで納得したのかどうかは分からないが、彼女はそれ以上は聞いてこなかった。

私がどんとさんと初めて出会ったのは、まだ田舎の女学生(笑)だった頃。
田舎にしてはマニアックなセレクトのレコード屋にあった、気になって気になってしかたがないジャケットのLP盤。
「ハズしたらやだなあ・・・」と思いつつも、勢いで買ってしまい、聴いてびっくり!
見事にはまった。
それがローザ・ルクセンブルグの「ぷりぷり」だった。

こういう歌詞は、書こうと思っても書けるもんじゃない。
わざと意味不明をねらって書かれた詞と、頭の中に独特な世界観を持っている人が書いたものは、ぜんぜん違う。
常識にとらわれない世界観。
文化的な刺激に飢えていた田舎の少女には、十分すぎるほどのショーゲキだった。

そして10数年。
私が育児にかまけて”歌を忘れたカナリヤ”状態だった間に、どんとさんは逝ってしまった。
しかもそれを知ったのは、それから2年以上たった頃。
キョーレツなショックで泣いた。私の中で何かが終わった、と思った。

でもあらためてローザやボ・ガンボスを聴いてみると、その鮮やかさは色あせるどころかますます冴え渡り、歌の中に、聴く人の中に、彼は生きていると強く思わせてくれる。
ほんとに天才だったんだなあ・・・

時々娘が、「どんとさんかけて~」とねだってくる。
弟と二人、小さな肩を並べて、歌詞カードを見ながら歌う姿を見ていると、なるほど、常識に囚われない世界は、子供の方が得意かも、と思ったりするのである。

ちなみに、うちの勝手などんとさんのベストソングは、
 私・・・「ひなたぼっこ」ローザ・ルクセンブルグ
 娘・・・「トンネルぬけて」ボ・ガンボス
 息子・・・「シビーシビー」ローザ・ルクセンブルグ
です。
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by kitano-shop | 2005-01-22 12:50 | 音楽


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