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敬老の日が・・・

バタバタしているうちに過ぎてしまってました・・・大反省。
といっても、私の祖父母は、父方母方ともにすでにお空の上。

父方の祖父母は、農家の大家族を背負って立派に過ごした夫婦。
母方の祖父は神主、祖母は幼少期の私の世話をしてくれた人です。

ちょっと、以前 別のところで書いたものを、以下に転載。

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幼い頃、母方の祖父母と同居していた。
両親は共働きで、祖父は私が生まれた頃にはほぼ寝たきりだったので、
4歳の時に妹ができるまでは、日中のほとんどを祖母と二人で過ごした。
祖母は小さくて丸くて、いつもにこにこしていて、かわいらしい人だったが、なかなか手先が器用で、
かぎ針でくるくると毛糸を編んできんちゃく袋を作ったり、
どこかでもらった手ぬぐいを縫い合わせて自分の肌着にしちゃったり、
ミルキーの空き箱からペコちゃんとポコちゃんを上手に切り抜いて遊ばせてくれたり。
幼い私にはそれがまるで魔法のように思え、どうにかして真似したくて、
布のきれっぱしをもらって祖母の針箱をいじり、
得体の知れない物を作りながら、針と糸の使い方を教わった。

(でもこれは決して祖母が特別ってわけではなく、
 一昔前の女性の生活には、当たり前のことだったんでは、と思う。
 サザエさんの漫画本を読むと、布団の綿を打ち直すフネさんがごくフツーに描かれているし、
 サザエさんの得意技も実は洋裁だったりする。)

明治生まれで田舎育ちの祖母は全く化粧っけのない人であったが、
女は髪が長くなければ、というポリシーがあったようで、
白くなった長い髪をいつも後ろに小さく結いまとめていた。
その髪を、南向きの日当たりが良い窓辺で結いなおすのを見るのが好きだった。
古い石鹸の空き箱の中に入った、鏡と、櫛と、椿油。
それが祖母のおめかし道具の全てだった。

謙遜を美徳と教えられて育った、祖母の世代。
かたや、溢れかえるたくさんのモノに囲まれて育った、私達。
どちらがいいとか悪いとかいう事ではないけれど、
私には真似できないたくましさを、きっと祖母は持っていた。
だからこそ祖母の作るモノに惹かれ、少しでも近づきたいと思い、「つくる」ことにはまり、
ここまで来ちゃったのでは、と思う。

祖母が亡くなって7年。今頃どうしてんのかな。
天国の祖父の横で、また何かをチクチクやってんだろうか。
by kitano-shop | 2005-09-22 01:03 | 日記


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