Nav Katze のこと。

学生の頃、友だちに「これ、好きそうだよ」と一本のカセットテープをもらいました。

透き通るような声の女性ボーカル、シンプルでタイトで流れるようなサウンド、ちょっとダークな夢の世界へ誘うような歌詞。
一気に魅了されました。

Nav Katzeの「OyZaC」でした。





私は昔から一つのアルバムが気に入ると、しつこくらい繰り返し繰り返し、そればっかり聴きます。
これもそうでした。
あんまり聴きすぎると飽きてきて、他のを聴いたりするんですが、しばらくするとまた中毒のように「OyZaC」が恋しくなり、また繰り返し繰り返し・・・

ところが、「OyZaC」にはまっている時期に限って、何か悪いことが起きるんです。
まあ、友だちとちょっとケンカをするとか、今となっては他愛のないことですが、当時の若い私にとっては、重大なことでした。

そんなことが何回か続いて、ついには怖くて聴けなくなってしまい、私は封印したかったのか木の小箱にそのテープを納めてしまいました。
それでも捨てることはできず、ずっとその箱はいつも、押入れの片隅にありました。

最近、ある方と昔聴いていた音楽のことを話した時に、Nav Katze好きだったんですよ、と言ったら覚えててくださって、「OyZaC」が含まれたCDをいただいてしまいました。

あの頃に比べたら私も多少強くなってるはず、つまらない呪縛から脱却できるチャンス!とすごく嬉しかったんですが、思い込みとは恐ろしいもので、素直にデッキのスイッチをONにできませんでした。いい歳をして、情けない話です。

笑われるのを覚悟で、親しい人に、実はね、こういうことでちょっと怖いんだけど、と話してみました。
その人は、大丈夫、一番大事なことは何も変わらないよ、と言ってくれました。

ぽんと背中を押してもらったような気になれて、ようやく、そのCDを聴きました。
十何年ぶりかの、透き通る声。
こんなきれいな音楽が、禍々しいことを呼ぶはずがない。
全ては私の思い込みで、身から出たサビを、この音楽のせいにしていたんです。
心のどこかでわかっていたのに、実体のない恐怖に負けていたんです。
・・・ごめんなさい。

長い呪縛が解けました。b0047930_23224849.jpg

テープをくださった方、
CDをくださった方、
情けない私の背中を押してくださった方、

ありがとうございました。


   見えない子供たちは 空を渡る
   どこまでも駈けてゆく くつをぬいで
   見えない子供たちは 空を渡る
   どこまでも飛んでゆく 虹のゆりかご

             「ゆりかご」(OyZaC / Nav Katze)
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by kitano-shop | 2006-02-10 00:07 | 音楽


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